虐待と精神病(心の闇)

彼はM 小学校に入学した、彼の人生においてここが地獄の入り口だった

一年生
彼は父とM小学校の入学式に出席した
この時正門前で父と撮った写真に彼の笑顔はなかった
常に緊張状態とでもいうのだろうか
今思えば精神状態がとても不安定だったように思う

 

引っ越した影響で小学校まで歩いてはいけない距離だったため
彼は姉とバス通学をしていた
彼は学校生活に馴染めなかった
これまで素直だった彼だが、先生に悪態をついたり
「バーカ」などと言って怒られることもしばしば
上級生にも同じように悪態をついて問題になったりもした

 

学校が終わってバスに乗って帰る
いつもの事
ある日、下校時間になっても姉がバス停に来ない
彼は焦った、焦った挙句彼は姉を待たずにバスに飛び乗った、お金は姉が持っていた
自宅近くのバス停でバスが止まって彼は降りる前に運転手さんに
「お金は○○姉ちゃんが持っちょうき、お金がない」
運転手さんは冷静だった
「じゃあ次にバスに乗るときに今日の分のお金払ってね」
彼は無事にバスを降りることができた、が 家に帰って軽く叱られた
彼にはまだ人生経験が足りていなかった

 

 

 

2年生
小学校に入学して1年が立つ頃、父が応募していた格安の長屋に当選した
父は母の兄のアパートに住んでいるのが嫌だった
常に監視されているようだったのだろう
監視されるのは仕方のないことだと思う、父はこの時既に暴力を振るうようになっていたから
母の兄から逃げるようにその[長屋]に引っ越した
今思えば集落
その集落にはお金がなく、やさぐれた人たちの密集地帯、危険地帯だった
全てが木造りの一階のみの平屋、部屋は2部屋とはなれ1部屋とキっチン
風呂場は土間に風呂桶があり、シャワーなどというものは無く、外への勝手口付き
トイレは和式ぼっとん便所    臭い
何故、本家の長男である父がこんな所に住まうのか?本家は立派な2階建てで
トイレは2つあり当然水洗トイレ、風呂も綺麗でシャワーもある、部屋数は8部屋プラス店スペースもある
それにくらべここは・・・吐き気がする
ここに来てから父の暴力は酷くなっていった、凄まじい暴君へと変貌した

 

この集落長屋に引っ越してから母の病気は増々酷くなっていった
母の強迫神経症のおもな症状は
不潔、本人が不潔と思うもの(糞尿、足の裏、股間、尻、唾液)等々
生活する上での制約(父は完全ルール無視)は以下の通り

 

トイレに行った後は必ず風呂に入る *汚いモードの時はゴムサンダルを履いた
足に
ビニールを被せ、トイレの出入りをする その際トイレから出るとき足の
ビニールは外しながら
トイレの外に出なければならない

 

外から帰ったら風呂に入らなければならない
風呂に入らせてもらえないときは、永遠に玄関の小スペースの土間か
外で待っているか、明るい時間ならば野球ボールを家の前の階段に投げたり
近くの公園で一人で遊んだり、夜は人目につかないように駐車スペースに
隠れる 冬に母を怒らせてしまい、極寒の中裸で姉と駐車スペースに
隠れていた事もある たまたま通りかかった人が不審に思い
こちらを気にして見ていたが、必死に隠れた
(今思えば何故よその人に助けを求めなかったのか疑問である)

 

母が洗濯物をしているときは、絶対に喋ったり咳やクシャミやその他口を開いては
ならない(つい、口を開いたりしゃべってしまったりした事もあるが
その時は母は狂ったように洗濯物をひっくり返したり、暴力や制裁が行われる)
鼻血が出るほど殴られたりした
干してある洗濯物に向かってしゃべったりする事や触れる事もNG

 

父や母に失礼な言葉使いをしてはならない
(家に置いてやっているという事を刷り込まれた)

 

等々
汚いと母の思われる事の一部に触れてしまったらout!
一晩中外で過ごしたり、小さい玄関で丸まって朝を待ったり
よくしたものだ・・・

 

 

父と母はよく言い争いをしていた、つまらないことや、【お金】

 

の事で
父が暴力に及ぶことはよくあった

顔面を殴られる
ろっ骨を折られる
腕を捩じ上げられる
ウイスキーグラスをちゃぶ台越しに投げられ、顔面に直撃し大怪我
ちゃぶ台をひっくり返し、その下敷きになり上から押しつぶされる

父は柔道、剣道、居合、フェンシング等をやっており、柔道、剣道有段者であった
当時父は90~100キロはあるヘビー級の体格をしていた

彼は母が暴力により怪我をしたため、救急車を呼ぼうと
電話をかけるが、110番に電話をしてしまい、父の蹴りにより数メートル吹っ飛ばされた
その電話を父が変わり、怪我人は無し、問題なしと話をしたため、警察も救急車も来なかった
一度警察が来たことはあるが、当時は家庭内暴力に警察は何も言えず
「なかよくやってくださいよ〜」程度で済んだ
現代であれば逮捕される事件だ

 

まだこの頃は父の暴力から母を身を挺して守ろうとすることがあった
単に力の弱いものを守ろうとしただけなのだろうか
その心底定かで非ず・・・
この段階では父に抵抗することはできたのだろう
毎日のように暴言暴力が横行する(流石、集落に落ちただけの事はある)

 

 

 

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